相手を見極めたい

被後見人の死亡をもって終わった私の後見業務。
いえいえ、それは極めて教科書的なこと。

実際には亡くなった後がもっとも大変でした。

後見業務の終了時に「葬儀委員長」を務めざるを得ない、という先輩の話も聞きますが

今回は「葬儀委員長」ではすみませんでした。

葬儀の事務はもちろんのこと、ご遺体の清拭にも立会い、すべて執り行うことは、覚悟していたとはいえなかなか大変なことでした。


そんな中、たった一人の遺族の奥さんのお世話を葬儀の間誰がするのか、が大きな問題でしたが、
以前からずっと奥さんとも懇意にしていたNPO法人「どこでも介護」さんの
手厚いサポートで、なんとか乗り切ることができました。

病院とご自宅、葬儀場、火葬場の行き来は言うに及ばず、
奥さんを送り届けた後の火の始末、身支度の手伝い、電気を消して寝床につくまでを見届けて介護してくれました。

彼ら彼女らのサポートがなければ、私は到底この事務を執り行うことはできなかったでしょう。

まさに「ここまでしれくれるの?」と驚くばかりの働きぶりを見せてくれました。

民生委員さんと、この「どこでも介護」さん。

本当に助けていただきました。


施設も、介護保険サービスも本人の死亡を持って終了する。
それは後見人も同じこと。

従ってそこから先は「業務」ではなく「人間」としての「心」の部分になります。

自分に与えられた仕事だけする、
それは別に悪いことだとは思いません。

それ以上の義務もないですし、それで責められるような落ち度など何もありません。
けれど、私がお客だったり、あるいはパートナーシップを持とうと思うなら、そういう人(組織)は選ばないでしょう。

責めはしませんが、選択の自由はこちらにあります。

情熱や理念だけで仕事はできませんが、同じ努力をし、なおかつその先に差が出てくるとしたら、やはり心の部分だと思うのです。

仕事が大変なのはみな一緒。

でも相手に「もどかしい」思いをさせたとしたら、
その時点で失格だと思うのです。

それを自分にも言い聞かせつつ、心の目をしっかり開いて相手を見極めたい、と思うこのごろです。



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Posted by しかない行政書士事務所 at 01:18│Comments(0)成年後見制度
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