優しく言葉をかけられて

今日はお盆のお参り。


といっても自分の家のではありません。


私が後見人を務める方のおうちです。


先日ほとんど危ない状態になり緊急入院しましたが


奇跡的に持ち直し、また施設に戻ることができました。


でも、そんなこともあってか、奥さんのTさんがすっかり気弱に。


お盆でご住職に来ていただくので、今後のことを相談したい
ついては心細いので同席してもらえないか、とのことでした。


民法の第853条以下に、後見人の仕事がつらつら書かれています。


後見人の仕事は法律行為。

事実行為は後見人の仕事には含まれず、かろうじて第858条に
「身上配慮義務」と「意思の尊重」が謳われています。


後見業務は本人の死亡と共に終了しますので、

言って見ればお墓の心配などは後見人の業務範囲外のことです。



・・・ということを86歳の高齢の女性に言ってわかるでしょうか。


わかったとしても、ほとんど身寄りのない彼女に

「私はアナタの旦那さんの後見人であって、あなたの相談相手ではない」


なんて、普通の感覚で言えますか?



読経のあと、ご住職とお話しました。


耳の遠いTさんにかわり、あたかも私は通訳。


先日亡くなった先代のご住職が

高齢でひとり暮らしのTさんのことをとても気にかけていらしたとか。

こまったらいつでも相談にいらっしゃい、と現住職も言ってくださいました。


経済的に厳しい方は、金銭で解決することが難しい場合が多いです。

自分で体もなんとか動かせる場合は、介護保険からもはずれてしまいあたかも隙間に落ち込んだかのように、取り残されてしまいます。


Tさんは、自分で後見制度を一生懸命勉強して(86歳なのに!)

福祉に一生懸命に訴えて、私と出会うことができました。

でも、そんなこともできずに取り残されている人もまだまだ多いのだと思います。


無縁社会などと言われますが、

本来、コミュニティが機能していれば、

なんとなく、誰かれとなく、困った人には手を差し伸べるものでしょう。



ご住職に優しい言葉をかけられて、お送りした後、

「今度一緒に相談にいこうね」と言いましたら

「安心した、安心した」を

何回も繰り返していました。


帰り道、

世の中やっぱり、捨てたものじゃないなー、なんて少しほっこりして歩いていましたら


帰り遅れたのでしょうか

田んぼの上を燕が一羽、低く飛んでいました。







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Posted by しかない行政書士事務所 at 18:39│Comments(0)成年後見制度
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