エンディングノート

近頃「エンディングノート」なるものがちょっとしたブームですね。

老後の財産管理を考えるときに、「任意後見制度」の利用があります。

これは事理弁職能力のあるうちに(=認知症などになる前に)、信頼できる第三者と契約を結び、老後に備えるというもの。

元気なうちの見守り契約、その後の財産管理委任契約、いよいよ判断能力が低下したときの任意後見契約、そして死後事務委任契約と続きます。たいがいこれらはワンセットで公正証書により作成されます。

この契約は遺言とセットで作成される事がほとんどです。

公正証書遺言を作成すると、最後に「付言」と言って、法律行為以外の遺言者の「思い」を綴る事ができます。

「子供達は仲良く暮らして欲しい」
「事業は長男が継ぎ、兄弟はそれを助けて欲しい」
などなど。

しかしそれも何枚もに亘って書き連ねる事も難しいですね。

それを補うのに、この「エンディングノート」があるのでしょうか。

万一病気になり、意識がなくなってしまったら、無用な延命措置はしないでほしい、
お墓はどこそこに立ててほしい、

などから

自分の生い立ちから今ある自分、
残される家族に対する思いなど

いわば、なんでもありのノートです。

かつて任意後見契約を締結し、私が後見人候補者となったケースで、このエンディングノート(正確には”らしきもの”)を作成した事があります。

後見人候補者とは、任意後見契約を締結する一方の当事者で、万一認知症などになったトキに任意後見人となる人のことです。

なぜこのノートを作成したかというと、
身内の少ない、あるいはいない方の場合、万一のときご本人がどう考えていたか、を確認するすべがないからです。

この方は持病がおありだったので、
もし発作でも起きたときは、必ずこの病院に連絡してほしい、などと書かれていました。

このノート、
なんだか商売に乗せられているような気がして、このごろのブームには多少違和感を覚えるのですが、やはり必要なときもあるのでしょう。





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Posted by しかない行政書士事務所 at 21:20│Comments(0)成年後見制度
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