霊安室で・・・

私が福岡で受任していた被後見人の方が亡くなった、と後任の先生からご連絡をいただきました。

個人情報ですので詳細は書けませんが、

3年間寝たきりだった方です。

とうとう最後まで意識が戻りませんでした。

色々な事情のあった方です。

私が受任したのは、脳内出血で倒れた直後。

そのときは、その後3年も生きられるとは誰も思っていませんでした。

でも、私は毎月病院へ行くうちに、
この方はきっと娘さんが心残りで、死ぬに死ねないのだ、と思うようになりました。

先生のメールには
「朝まで霊安室に二人でおり、葬儀も淋しいものでした」
とありました。

亡くなられた被後見人の方と、何時間も二人きりで霊安室とは・・・・

それを淡々と、でも温かさの溢れる文章で綴っています。

読んでいると、やはりこの仕事は相手は書類ではない、人間なのだ、と改めて感じます。
(でも、それを理解して仕事をしている人は一体何割でしょう?)

志のしっかりした後見人と、親身になってくださる民生委員の方がつかれたのは、
その方にとって最後の幸せだったと思います。

私が受任したときに、
駆けつけた妹さんが
「こんなにお世話されたことは、今までの姉の人生の中には無かったと思う」
と仰った一言が忘れられません。

色んなしがらみをたった一人の背中に背負って苦労の多い人生だったのが、その一言で何もいらないくらい説明がつきました。

誰も訪問することの無い病室に横たわっているその方の手を握り、
知的障がいをお持ちの娘さんの話をすると
そのときだけぴくっとまぶたが動くお顔を思い出すと
なんだか涙が溢れて字が読めなくなってしまいました。






タグ :後見人病室

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Posted by しかない行政書士事務所 at 11:00│Comments(2)成年後見制度
この記事へのコメント
しかない様

本当に、人というものは、色んな、背景や、歴史、事情があって今があるんですね。そう理解するには

こちら側に、それだけの知識や理解力、思いやる

気持ちがないととても難しいと、この年になってようやく思います。

その点、しかないさんのお仕事は、いつも、いつも
そんなことばかりで、大変なことでしょうね。

でもそれだけに、専門の知識で助けてあげたり

支えてあげる大切なお仕事でもあるかと思います

困ったときは、わたしも相談にいきますね。
Posted by ねこねこ at 2010年07月16日 14:21
ねこさんこんにちは。

いつもコメントありがとうございます!

どうもこのごろ涙もろくなって・・・(年のせい?)
業務と割り切っている自分と、心情的に巻き込まれている自分がいまして、それは良くない、とよく先輩にも言われていました。(苦笑)

その方の人生の最終章の最後のページに関わることが多いので、私が注いであげられる何かがあればそうしたい、と心を砕いているつもりです。
Posted by しかない行政書士事務所しかない行政書士事務所 at 2010年07月16日 16:56
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