駆け出しのころ・・

駆け出しの頃・・・

というと、
「え?じゃ今はそうじゃないんですか」と
言われそうですが(笑)

この仕事を始めたばかりの頃、
なかなか依頼者様に対してきっぱりとした意見が言えていなかったような気がします。

当初から遺言と相続は業務に入れていたのですが

特に遺言のご相談などは

「公正証書遺言」か「自筆証書遺言」か
となると

ご本人が
「お金がかかるなら、自筆にしておこうかな・・」
などとおっしゃると
「まあ、そうしておきますか・・・」と。

公正証書遺言を作成すると、決して小さいとはいえない費用と報酬がかかってきますし
その負担を考えると、強く勧められなかったのかもしれません。

また、まだまだ未熟な自分がそれを勧めることにより大きな報酬を戴くことに
抵抗があったのかもしれません。

さらに遺言というと、どことなく死をイメージさせるものがあり、
その業務に対して迷いもあったのかもしれません。

でも、そんな考えが変わったのが
ある依頼者様の一件からでした。

昨日も書きましたが、ご依頼者様が公正証書を作成し終わったときに
「お陰で薬に頼らずに眠れるようになりました」とおっしゃった一言で
考えが変わりました。

遺言は死に向かって用意するものではなく、
残りの人生を安心して送るもの、さらに残された人の円満を願うものなのですね。

その一言で私の迷いもなくなったような気がします。

もちろんマニュアル本を買ってくれば、雛形も載っています。

しかし遺言を作成する、という人には必ず、それに駆り立てられるなんらかの背景があります。

大げさに言えば、それはその人の人生なのですね。

その話に耳を傾け、気持ちに寄り添いながら文言を仕上げていく。

思い出話に脱線したり、愚痴になってしまったり、そしてご自身で最後は納得されて・・・

遺言とはその人生の思いのこもるものだと思っています。






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Posted by しかない行政書士事務所 at 10:32│Comments(2)相続・遺言
この記事へのコメント
しかないさん、こんにちは。
遺言書の必要性が高いお客様には、その必要性をお話しますが、実行に移される方は、そのうちのわずかです。

遺言書の必要性、私であれば節税対策をするかどうか、等々、専門家としての提案とそれらのリスクをわかりやすく説明し、どれを選択するかはお客様次第といったところでしょうか!?

いずれにしろ、一方的に話をするのではなく、話をしっかり聞いて、専門家としての提案をいかにしていくかが、専門家の存在理由かと思います。
(道は遠い・・・)
Posted by iino at 2010年06月01日 17:25
飯野先生、こんにちは。

コメント有難うございます!

提案力、ですね。
おっしゃるとおりですね。
加えてご高齢者の場合は、提案の内容の理解が困難な場合もあり、コミュニケーション能力も必要か、と思う場面が多々あります。
ただ話を聞くだけでは、専門家とは言えませんから、なかなか道は険しいです・・・
Posted by しかない行政書士事務所しかない行政書士事務所 at 2010年06月01日 21:37
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