危急時の遺言

先日、遺言書作成の依頼がありました。

お母様が重い病気で遺言書を作成したいと言っている、とのこと。

今まで遺言作成のお手伝いを色々させていただきましたが
さすがに重病の方で、病院で作成したい、というのは初めての相談でした。


自筆ではもう無理そうでしたので、公正証書で作成することに。

お会いする日時を確認し、
いつもでしたら、書類の準備などをするのですが、
今回はまず初対面のときの心構えや、リラックスしてお話していただけるような雰囲気つくりなどをイメージトレーニング(?)していました。

しかしその後、容態が悪化してそれも無理になったとのご連絡がありました。


自分で書くこともできず、時間にも余裕がなくなった場合
危急時遺言というものがあります。

それは証人3人以上を用意し、その一人に遺言の内容を伝えて、それを受けたものが筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ各証人が承認後署名捺印する、というものです。

しかしそれは家庭裁判所で確認を受けなければなりません。


上のケースの場合、急いで危急時遺言を勧めても、それで本当に遺言者の意思が正確に反映されるのか、
私にも自信はありません。

仕事をお受けする場合、遺言者の意思が尊重できるか、後で紛争の種を残さないか、に神経を使います。


なんでもいいから、とりあえず残しておけ、ではかえって揉めてしまうことも。


ですからお元気な方の遺言を作成するときは何度もお会いして打ち合わせをします。
相続人の思惑が混入してはなりません。
遺言では遺言者が絶対的な主人公なのです。



ずっと以前ですが、葬儀のあとに自筆の遺言書がでてきて、その内容に憤怒し、お仏壇を蹴って壊してしまった、という激しい方もおられました。
そういうときに出るのは必ず「これは誰かが無理やり書かせたのではないか」という疑念です。
ですから、よほど円満で問題がないかぎり、公正証書遺言をお勧めします。
公正証書は公文書ですので、大きな力を持つのです。



先の方は、どうなられたのでしょう。
心残りがあったのでは、と気にかかります。



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Posted by しかない行政書士事務所 at 10:42│Comments(2)相続・遺言
この記事へのコメント
コメント頂きありがとうございます。

私も、相続や堅苦しそうな書類手続き苦手な一人。

いろいろ参考にさせていただきますので・・・。

私は、引っ越し経験ゼロ回です。
Posted by 高島です高島です at 2009年08月20日 18:56
高島です さん、こちらこそコメントありがとうございました。
私もだんだん滋賀が分かってきました。
高島のあたりは湖がきれいですね。また写真を楽しませていただきます。
Posted by しかない行政書士事務所しかない行政書士事務所 at 2009年08月20日 19:58
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